◇ 関節ファシリテーションの定義

 関節ファシリテーション(Synovial Joint Facilitation、S.J.F.)とは、関節運動学(Arthrokine-matics)及び、
関節運動力学(Arthrokinetics)に基づき、関節内運動(Intra‐articular move-ment)とCloseを利用して関節
機能異常を治療し、自動・他動運動における関節の動きを量的・質的に改善する運動療法技術である。

 

◇ 関節について

 Hip Jointは股関節、Knee Jointは膝関節、Ankle Jointは足関節またAKAの中でJoint Dys-fanctionを関節機能異常
と翻訳してきた。ちなみにJFはJoint Facilitationを関節ファシリテーションとしてこれまで使用してきた。
このようにJointという英語を「関節」と訳し、可動性のある結合の意味で使用してきたが、これは次の日本語の解剖
学書における「関節」の定義に基づいたものである。

 

◇ 関節とは

 骨と骨とを可動的に連結させる部分。 両骨の相対する面には軟骨の薄層があり、関節の周囲は骨膜の延長である結合組
織性の丈夫な膜で包まれ、内部は滑液で満たされている。ところが英語の解剖学書ではJointは次のように分類されてい
て、Jointsには必ずしも可動的なもののみではなく、全く動かないものも含まれている。

JOINTS by Gray 's Anatomy

1.fibrous joint(全く動きの少ない線維性の連結、synarthroses)
2. joint(少し動く軟骨性の連結、amphiarthroses)
3.synovial joint(自由に動く滑膜性の連結、diarthroses)

 以上のことより日本語の「関節」に充当する英語は Synovial Joints, あるいは Diarthroses ということになる 日本語では慣
用でJoint を関節と翻訳してきているが、本来の翻訳としては「連結」とすべきである。 今後とも引き続いてこれらの用語
を使用していくならば、定義に基づく用語の使用をしたほうが正当であろう。
そこで関節ファシリテーションはDiarthroses(DF),とするかSynovial Joints Facilitation(SJF)とするかということになる。
これまで使用してきたJFを全く異なる用語に変更すると混乱が生じると思われるため、JFを残し、Synovial Jointsを関節と
訳せば矛盾は生じず、今後は Synovial Joints Facilitation,(S.J.F.と略 ) とすることにした。

                  関節ファシリテーション学会 理事長 宇都宮 初夫